星の門

60260

自作の宣伝、および感想など交流用の掲示板です。「投稿掲示板 登竜門」参加者のみなさまにもご利用いただけます。

感想の記入時、「アイコン」欄から「良い」「とても良い」の選択が可能です。

「夜を越える道」を掲載 - 天野橋立

2017/04/22 (Sat) 14:21:15

星空文庫に、短編「夜を越える道」を掲載しました。
以前登竜門のほうに掲載した「架空索道」の設定をベースに、全く新しく書いた作品になります。
もう少し幻想的な方向へ振ったほうが良かったかな、などと色々考えているところです。

http://slib.net/72023

Re: 「夜を越える道」を掲載 - かみよる

2017/04/24 (Mon) 11:49:36

いつも褒めてるばかりじゃつまらんだろう、ということで珍しくこのかみよるがいろいろ言ってみる。まあ正直これより先に投稿するもんあんだろなぁ?などと思ってしまうんだけどそれとこれは別問題だと割り切ってやろう。
設定だけ借りた別物ーーとは言え、前作が個人的に非常に面白かったからこそそらもう比較してしまうわけで、比較してしまったが最後、結論としては正直「うーん…イマイチ」になってしまう。
個人的に思う一番の問題は、2人の関係性だ。前回は最初から恋人同士だったから焦がれる感じがいい味を出していたけど、今回はそれが圧倒的に少ない。互いに惹かれ合っているとかそういうのが弱いと思えてしまう。容量的には仕方がないんだろうけど、これは非常に残念。
そして見せ場となるゴンドラの中での出来事も、ロリコンさんが自分で言っている通り幻想感が薄いせいでどこか淡白に感じる。あそこで幻と会話するあの場面はかなり名シーンだと思ってるからこれは大きな減点ポイントだ。
そしてなんだ貴様は。この物語のラスト。前作も今作も中途半端に自分を不完全燃焼にしやがってからに。憎らしい野郎だ。
一個の新作として見れば「ああ、天野さんだなぁ」と素直に楽しめた反面、今回はやっぱりそれでも「もっとこうやりようがあったろうが」と身悶えてしまう。
ただ自分の感想よりこれを読んだ狸さんが何と言うかの方が地味に気になってたりするこの頃。

Re: Re: 「夜を越える道」を掲載 - かみよる

2017/04/24 (Mon) 11:53:35

ああごめんひとつ書き忘れた。
69行目、県内各所から支援の人材がすぐに送り込まれてきたのは、この町長の人脈の賜物なのである。受け入れ業務ーーってあるんだけど、なんでか引っかかった。賜物なのだが、受け入れ業務ーーとか続けた方が個人的にリズムが良かったんだけど、これはまあただのイチャモンだからどうでもいいや、うん。

Re: 「夜を越える道」を掲載 - 天野橋立

2017/04/24 (Mon) 21:14:06

お読みいただき、ありがとうございます。
しかし何というか、感想というのはありがたいものだなあとつくづく思いました。
「架空索道」の改良をやろうと試行錯誤する中で、設定を生かした新しいものをやってみようということで書いたものなのですが、文章の書き込みなどは力を入れた半面、どうも全般に何か違うなあという感じが。しかし自分で読んでても、どう直したものかなんだか良く分からなくなってしまいました。
やっぱり前作のコアになってたものが、色々抜け落ちてしまってるんだなあと神夜さまの感想を読んで改めて思いました。うまく行った作品を作り変えるのは、やっぱり簡単じゃないですね。
しかしせっかくこういうことをやってみたわけなので、この作品の要素も生かして、またしつこく架空索道本体の改良もやってみようと思います。ありがとうございました。

なお、「潮の降る町」はもう数日中には第五章を前後わけずに一括掲載するつもりです。先に投稿するもんあるだろ、とメンチを切られたから、というわけじゃないですけどね。

Re: 「夜を越える道」を掲載 - バニラダヌキ

2017/05/01 (Mon) 21:00:12

お、これは前作『架空索道』がベースというより、架空索道をめぐる連作のひとつ、みたいな感じの短編なのかな――などと思いつつ、いつもながらの達者な書きっぷりに、心地よく身を任せていたわけですが――小夜子さんが架空索道に乗りこむあたりから、少々違和感が生じてきました。つまり、この物語における『夜を越える道』は、架空索道である必要がない――そんな違和感です。
前作における架空索道は、恋人達の情動や物語全体の情動を見事に集約する要《かなめ》として、どーんと夜空に架かっておりました。それが今回は、あくまで舞台のひとつの大道具、そんな印象を受けたわけです。夜の神様がおっしゃっている『どこか淡白』、まさにそんな感じで。
以上、正直に欠点と思われる部分を突っつきましたが、しかして今回の作品、実は大部分が狸にとって、ツボ、ツボ、とはまってくる佳作であったのも確かなのです。天野様ご自身は『架空索道』の改良という気持ちでも、狸という一読者にとっては、架空索道という大道具をあえて取っ払うことによって、まったく別の名作に化けそうな気がしてなりません。
ちなみに大ボラ吹きの狸としては、読後、しきりに架空索道ではない別の夜を越える道を、あーじゃこーじゃ夢想したりしています。いっそパラグライダーは使えんか。地形的に練り込むのは可能そうだ。しかしうら若い小夜子がいきなりひとりで夜間フライトに挑むのは、この場合、絵空事になってしまいそうだ。ならば、この旧友の男二人を、元サーファーではなくパラグライダー野郎に脚色しなおして、実は真田も小夜子に惚れていて、館山が事件に巻きこまれた日には、真田もなんかの用事で小杉町近辺にいたりして、でもって館山&小夜子のために自らの恋心を隠して、小夜子を乗せてムーンライト・フライト――。
……すみません。なんか妄想に歯止めがかからなくなったんで、そろそろ無責任にドロンします。

Re: 「夜を越える道」を掲載 - 天野橋立

2017/05/04 (Thu) 18:41:46

お読みいただき、ありがとうございます。ああしかし、やはりこうして感想を頂けることのありがたさ。
確かに、架空索道という設定をベースにして新しいものを書くというのは、シリーズものの第二作的な感覚があったかも知れません。全く新しい要素として、災害FM局と言うのを中心に持ってきたわけですが、実際に書いているとどうしてもそちらの新しい要素のほうに力が入ってくるわけで、架空索道のほうは単なる装置になってしまったのは確かだろうと思います。
実は神夜さんに感想をいただいた時に、今作の電波で夜を越えるという部分は生かしつつ、架空索道とは別の作品として独立した短編に再構築しようと考えていました。で、索道部分においてリアリティーを掘り下げた部分は、本家の架空索道に返してそちらも改良しようかと、そんな風に思ったのでした。

実はたまたま先日、本家サン・テグジュペリの「夜間飛行」を読み返したりしまして、全く別にナイトフライトものも考えたりもしてました。小夜子をパラグライダーに乗せて夜空に送り出すかどうかはちょっとまだわかりませんが、このままでは終わらせずに、何か形を付けたいと思います。
しかし、一冊まるまる架空索道絡みの連作作品集というのも、魅力的だなあ……。相当な力量が要りそうですが、何せ思い入れのある世界だけにこれもやってみたいです。

名前
件名
メッセージ
メールアドレス
URL
アイコン
文字色
編集/削除キー (半角英数字のみで4~8文字)
プレビューする (投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.